\妊娠報告は早いほうがいい・退職時期は体調を最優先に/
「歯科衛生士の妊娠報告はいつがいい?」「退職時期はいつ頃が目安?」
という疑問がある人に向けて、歯科衛生士の筆者が以下の内容をお伝えします。
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\この記事でわかること/
- 歯科衛生士の妊娠、報告はいつから?
- 歯科衛生士の妊娠、いつまで働く?
- 妊娠中の働き方注意点
- 歯科衛生士の妊娠に伴う退職はいつがいい?
- 産休or退職どっちがいい?
目次
歯科衛生士の妊娠報告はいつする?
妊娠をしたらできるだけ早く院長に伝えた方がいいです。(目安は赤ちゃんの心拍が確認できる妊娠6週目)
なぜかと言うと、つわりなど体調不良に伴う対応や業務の変更が必要な場合があるからです。
診療中にひどいつわりが起きたときの対応を相談しておく必要があるでしょう。
また、早い段階で報告をしておくことで、あなたの退職に伴う引継ぎや求人募集をすることもできます。
妊娠報告をせずに仕事をして、つわりで診療に支障が出た時に「なんでもっと早く言わなかったの?」となってもイヤですよね。
一般的な会社であれば安定期(16週以降)に入ってから報告をする人が多いと思いますが、歯科医院だとそうもいきません。
小さな職場で尚且つ限られたスタッフで仕事をしており、歯科衛生士の求人募集をかけてもすぐに人が来ないのが現状です。
安定期前に報告をするのは気が引けるかもしれませんが、妊娠を機に退職をする予定であればできるだけ早めに伝えておくのがいいでしょう。
しかしそうは言っても、妊娠中は何が起こるか分からないですよね。
万が一、悲しい結果になってしまった時のことを考えると職場に伝えるのはとてもつらい…。
院長には「安定期に入るまではまだ他のスタッフには言わないでほしい」と合わせて伝えておくといいかもしれません。
妊娠報告の伝え方と注意点
歯科衛生士として勤務をして長い場合は、そのまま伝えて構いません。
ただし、採用されてから1ヶ月やまだ試用期間内での妊娠&退職の場合は一言「すみませんが‥」と伝えた方がいいでしょう。
妊娠はおめでたいことなので、本来謝る必要はないのですが、採用して間もない期間での妊娠&退職はあまり良い印象ではありません。
特に採用した院長は「長く働いてもらいたい」と思っているでしょうから、一言「すみません」と伝えておいた方が退職まで波風立てずに済むでしょう。
歯科衛生士の妊娠、いつまで働く?
すぐにつわりが始まったので辞めました。
正社員からパートにしてもらい、出産1週間前まで働いてました。
6か月ごろで辞めるつもりだったけど、つわりがひどくてその前に辞めました。
参照:Yahoo!知恵袋
妊娠したらいつまで働くか?これは妊娠中の体調や働く職場の理解にもよるので、一概には言えません。
妊娠中の体調がよく、職場の理解があれば長く働く歯科衛生士もいますし、職場の理解を得られずに予定より早く辞めていく歯科衛生士もいます。
産休育休制度の実績がない歯科医院も多く、「妊娠を報告したらイヤな顔をされた」「職場の理解が得られず辛い思いをして早めに退職を決めた」という歯科衛生士もいるようでした。
ネットで調べてみると、つわりがなければ長く働きたい人や、もともと妊娠を機に辞める予定の人、出産ぎりぎりまで働く人など人によって様々です。
歯科衛生士はパート・正社員ともに復職しやすいですから、無理のない範囲で働いて産後の落着いた時期に復職をしてもいいですね。
労働基準法における母体保護規定によると、働く女性が妊娠した場合、原則として産前6週間(双子以上は産前14週間)・産後8週間は働けないことになっています。(産前休業取得)
産前休業取得は義務ではないので、出産ぎりぎりまで働く人もいますが、自身の体調や赤ちゃんのことを考えると上記の期間は働かない方がよいでしょう。
歯科衛生士の妊娠、勤務中に体調が悪くなったら?
勤務中につわりや体調不良で気分が悪くなったら無理をせずに休みましょう。
\歯科衛生士が妊娠中に気分が悪くなったら/
- アシスタントについている場合は先生に伝えて、スタッフルームで休ませてもらう。
- メンテナンス中でも一時中断を。
つわりがある中での患者さん対応はとてもつらいですよね。
下を向くと気分が悪くなり、業務ができなかったという歯科衛生士や気分が悪くなってユニットで横になっていたという歯科衛生士もいるようです。
一般的には妊娠初期がつわりがひどいとされています。
つわりが起きた時の対処法を前もって先生と決めておくのがいいでしょう。
歯科診療は医療ですから〝医療事故が起こらないように&母体と赤ちゃんのために〟つわりや体調不良がおきたらすぐに休んでもいいと筆者は思います。
歯科衛生士の妊娠、勤務中に気を付けること
妊娠中の歯科衛生士が気を付けたいこと、それは感染です。
普段からスタンダードプリコーション※には気を付けて勤務をしていると思いますが、妊娠中は特に注意を払いましょう。
※汗を除くすべての血液・体液、分泌物、排泄物は感染する可能性があるとする考え
\妊娠中は特に気を付けよう/
- 針刺し事故
- エアロゾル感染
- 観血処置
妊娠中は飲めるお薬が限られていますから、診療中の感染には注意をしておくことが大切です。
患者さんごとに新品の手袋をはめて、ゴーグルは欠かさずにつけるようにしましょう。
歯科衛生士が妊娠中に利用できる制度
歯科衛生士が妊娠中に利用できる制度は以下の通りです。
\妊娠中に適応される制度/
- 保健指導または健康診査を受けるための時間の確保(法第12条)
- 医師からの指導事項を守ることができるようにする措置(法第13条)
※男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置より
①保健指導または健康診査を受けるために時間の確保は、妊娠中に医師の健康診査を受ける時間を会社に申し出ることで確保できる制度です。
健康診査を受けている時間が有給か無給かは、職場の規定によります。
妊娠中は何度も医師の診査を受けなければなりませんから、仕事があってもこういった制度を活用するといいでしょう。
②医師からの指導事項を守ることができるようにする措置は、職場や通勤での負担を減らす目的の環境整備のことです。
母性健康管理指導事項連絡カードを使って医師の指導内容を院長に相談すると良いですよ。
例えば、通勤ラッシュの時間帯から出勤時間をずらしてもらうことや休憩時間の延長や回数の増加措置を受けることができるでしょう。
出典:厚生労働省委託 母性健康管理サイト 女性にやさしい職場作りナビ
歯科衛生士の妊娠に伴う退職はいつがいい?
産休育休を取らずに退職をする場合は、体調と職場環境を鑑みて退職時期を決めましょう。
例えば、つわりが軽く体調が良くても職場のストレスが日頃からあるようだと妊娠中の身体には良くありません。
歯科衛生士の仕事は、休む暇もなく患者さん対応があり、下を向きながら立ちっぱなしor座りっぱなしの業務が多くあります。
お腹が大きくなり業務がしにくく、下を向くと気持ち悪くなった。
患者さんの口のニオイが無理になり辞めました。
そして、人間関係も良好な職場が多くあるわけではありません。
働いていて辛いな‥と感じたら無理をせずに休むか退職時期を決めるのが良いでしょう。
予定より早く退職をする人も少なくありませんから、予定より早く辞めてもナイーブになる必要はありませんよ。
今は赤ちゃんと一緒にのんびりするときだと思って、休息を楽しみましょう。
退職の伝え方と注意点
妊娠時に退職を決めていた人であれば、妊娠の報告の際に退職する旨も伝えていると思います。
予定より早く退職をする場合は「予定より早いですが退職させてください」と伝えればOKです。
もしもあなたが退職をする時に後任の人が決まっていなくても、後ろめたさを感じる必要はありませんよ。
今までありがとうございましたと伝えればOKです。
縁のある職場であれば、産後にまた「一緒に働こう」と言ってもえるかもしれませんね。
歯科衛生士の妊娠に伴う退職の割合
歯科衛生士会の実務実態報告書(令和2年)によると、勤務先を変更したことのある歯科衛生士の主な変更理由の1位が出産と育児でした。(グラフ左端)
この調査結果から、多くの歯科衛生士が出産と育児により勤務先を変更していることがわかります。
ただし、出産前に退職をしたのか、それとも産休育休を経て退職をしたのか、育児と仕事の両立の困難さから退職をしたのかはこの結果からはわかりません。
それでもこの結果から、妊娠により退職を検討&実際に退職をしたことのある人が多くいるのではと推測ができますね。
歯科衛生士の妊娠、産休or退職どっちがいい?
産休育休がとれる歯科医院であれば、制度を利用した方がお金の面や仕事の安定さを確保できます。
しかしながら母体と赤ちゃんの健康面や職場環境にもよるので、産休と退職どちらが良いかは一概には言えません。
歯科衛生士の産休育休に関しては下記の関連記事に詳しく記載しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
関連記事▽
歯科衛生士の妊娠・産休育休実績のない職場でも産休育休はとれる?
《まとめ》歯科衛生士の妊娠報告&退職時期はいつがいい?伝え方と注意点
以上ここまで歯科衛生士の妊娠と退職に関する内容をお伝えしました。
\この記事のまとめ/
出産までストレスなく過ごし、赤ちゃんとの生活を楽しんでくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました(*’-‘*)